Focus: Elen Never Sleeps

Elen Never Sleepsは東京のHirotaka Kajiwaraによるソロ・プロジェクト。昨年はmoscow clubが主宰・企画を務めた全国のDIYアーティストの作品をコンパイルした”Ç86 – VA / Gay Vegan Vinyl Cassette“に参加したり、SUPER VHSとのスプリットシングルをリリースしたり、アクティブに活動しています。

今月末にL.A.とカナダを拠点にする新鋭のカセット・レーベルMemory 36 Recordingsからリリースされる『Silver EP』は、Captured Tracks勢を始めとする、米インディー・シーンの透明感溢れる暖かいサウンド・プロダクションと、ベッドルーム・プロデューサー達が共有するユートピア的世界観を持った、新世代のポップを追求。先行で発表された”Silver”、”Shine On Me”など、以前と比べさらにソング・ライティングに深みが生まれ、エモーショナルなレベルから聴き手に語りかける作品になっています。

今回Lights + MusicはElen Never Sleepsにフォーカス。ユニット名の秘密、東京インディー・シーン、ブログから発進することなど、数々の興味深い話を聞くことができました。またアーティストの好意で『Silver EP』から新曲”Hazel”をプレミア公開しています!


Focus: Elen Never Sleeps

By Satoru Teshima, Jan 18

音楽を始めたのは何がきっかけですか。

中学生の時、2年半くらい毎朝新聞配達をしていたんですけど、その最中いつも頭の中が暇で、鼻歌作曲をしだしたのがきっかけといえばきっかけでしょうか。

Elen Never Sleepsのユニット名の理由を教えてください。

Neil YoungのHey Hey, My Myに出てくる”Rust Never Sleeps”(ライブ盤のタイトルにもなっている)と、実在するとある人物の名前からです。よくなぜEllenではないのかと訊かれます。英語だとEllenの方が自然なのはわかっているのですが、その本人がラテン系で実際にこの綴りだったのでそれに準じました。

音楽制作はどのように行っていますか?プロセスを教えてください。

基本的にはギターを弾きながら作曲する事が多いのですが、頭の中だけである程度完成したものをただアウトプットするというケースもあります。ごく短いラフスケッチを沢山録音して、ある段階でそれらをふるいにかけ、合格したものだけを最終的に作り込んでいきます。

Elen Never Sleepsの活動では今回のEPも含めトラックの無料公開を進めていますね。その理由やこだわりはなんでしょう。

Name Your Priceにしている物もありますが、どちらにせよただの圧縮音源に関しては、無料では落とせないという状態にはしたくないなと思っています。自分の知名度や立場の現状を考えてそれが妥当だと思うからというのが一番ですが、個人的にはフィジカルコピー原理主義なので、mp3なんかはいいから、とにかくヴァイナル、カセット、プレスCDにお金を使ってくれというのが本音です。だからそれらを出した(出せた)時にお金を払ってくれという事ですね。

Memory No. 36からのリリースに至ったきっかけをおしえてください。またカセットにしようと思った理由は?

オーナーのRicardoは以前から僕の音楽を気に入ってくれていて、やりとりはしていたのですが、今回レーベルを始めるというので、真っ先に声をかけてきてくれたんです。初めからカセットレーベルという話だったので。勿論コスト的な部分が大きいみたいですが、個人的には馴染みもありますし、ヴァイナルとまた別の良さがあるので。

“Silver EP”のハイライト、”White Surrender”について教えてください。SUPER VHSとのスプリットシングルとして先行リリースされたこの作品ですが、EPでTaquwami Remixと通して聴くと、曲の世界観がかなり濃密になります。何について歌っているのですか?

Spiritual Awakening

ここ数年の音楽シーンは作品のフル試聴が先行し、ジャケ買いのような「買ってからのお楽しみ」が無くなっているような気がします。しかし聴いて判断してから買うというのも、経済的だと思いますし、購入側からしたら理にかなっています。この傾向についてどう思いますか?

ネット上に転がっている無数の音源からどれを”試聴してみるか”っていう所での取捨選択はジャケット画像に大きく左右されると思います。そういう意味では未だに同じ役割を全うしているとも言えるし、フル試聴はこのまま定着して良いと思いますね。ジャケ買いという行為は中古市場では絶対に無くならないでしょう。ネット上に氾濫している情報は基本的にネットがあたりまえになって以降と今のものが主なので、どれだけブログメディアに毒されていようが中古レコード屋に行けばいくらでも知らない物に出会えるはずだし、今後ますます、そういう店に通うという事が、昔ながらの音楽の楽しみ方を満喫するための必須条件になると思います。

自身が主宰するGay Vegan Vinyl CassetteBlog Never Sleepsなど、「ブログスフィア(Blogsphere)」での活動もアクティブに行っていますね。ブログの良いところは何でしょう。

すごく発信したいっていう欲求があってブログをやっているわけでは全然ないんですよね。実は。本来は黙ってたい人間なんです。ただ今の時代は本当に情報の取捨選択が鍵になっていると思うし、その基準線の集合体こそが人格みたいになっている部分ありますよね。で、誰でも発信ができるせいで、その分野に足を踏み入れたばかりの人でもしたり顔で講釈できて、それよりさらに遅れている人がそれを鵜呑みにするっていう構図が少なからずあるんだけど、どうしても声が大きい方が目立つから結局数が増えた方の価値観がいつのまにか正しいという事になっていくのが気に入らないというか、それに対して黙っているとなす術がないなというか自分の価値観が存在しない事にされるのは癪だなと。だから、blogで取り上げる音楽の取捨選択によって自分のフィロソフィーを提示できるというのが良いところですかね…。

東京のインディーシーンについて教えてください。ここ数年何が変わりましたか?

当事者本人達自身と、ごく一部の人達が、漠然とした期待みたいなものを以前より抱いている(希望を持って)のはすごく感じる。自分に対してのって意味ではないですよ。その、東京ないし日本のインディシーンという物に対しての。でも実際にはまだシーンといえる程のものは確立されていません。もともと限りなくゼロに等しかったものが、ゼロではないとはっきり言えるレベルになったという程度でしょうね。そもそも、ものすごく限られた市場しかないので、やる側だけの努力ではどうにもならない部分がどうしてもある。その上インディっていうものの基準がそもそも皆バラバラですからね。ただ間違いなく4~5年前より状況は遥かにいいと言えるでしょう。

海外のインディー・シーンにも敏感なElenさんですが、今年期待のリリースは何ですか?

Only Realくん

この先ライブ活動も展開して行くのでしょうか。

ライブ自体はすごくやりたいんですよね。ただもうやるなら同期なしの生フルバンド形態でしかやりたくないので、時間がかかるとは思いますが。

最後に新年の決意があれば教えてください。

とりあえずバンドでライブができる状態にするという事と、去年よりも多く音源を発表するという事です。

リンク:
Facebook
Twitter
Soundcloud
Bandcamp

このエントリーをはてなブックマークに追加