Focus: Oscar Key Sung

今月5月31日に恵比寿のリキッドルームで開催させれるオーストラリア音楽ショーケースでの主演も決定しているメルボルンを拠点に活動するインディー・エレクトロ/R&Bアーティスト、Oscar Key Sung。近未来的な世界観と表情豊かなボーカルをコラージュのように重ね、独特のソウルを生み出しています。今回当ブログではメールを通じて、この間リリースされたEP『Holograms』(国内盤もP-Vineから配信中です)ばかりの彼にフォーカス。オリジナルな世界観がどのようにして出来上がったのか、インスピレーション、そして現在の音楽業界に対するアイディアなど、彼の素顔に迫りました。

Interview: Oscar Key Sung
By Satoru ‘Teshi’ Teshima, May. 11, 2014

音楽を作り始めたのはいつ頃からですか?

五歳くらいのときから作曲を始めました。Jackson 5に居た時の若いマイケル・ジャクソンに夢中だったんです。そのくらいから音楽を作って遊んでたりしましたね。一人っ子でしたから…。それで時間を過ごすことができました。色んな小学校に移っていたので、毎回休み時間はその学校に合った違った楽器を使って遊んでました。そこから何でも屋(マルチ・インストゥルメンタリスト)になっていったんだと思います。

あなたのインスピレーションはなんですか?それをどのように曲に仕上げますか?

最近はコンテンポラリーなSF映画のトレイラー映像や90年代の日本アニメにインスピレーションを受けています。この間の夏をシドニーで過ごし、そこで盛り上がるダンスカルチャーを経験しました。とても素晴らしく思いましたし、わたしの最近の楽曲にも影響を与えています。メロディー面ではPevinn Everett, Craig David, TinkやDonnel Jonesにつねにインスピレーションを受けてます。

『声』はとてもインスピレーショナルなものだと感じています。特に声をサンプルやキーボードで操作するのは”Key Sung”プロジェクトにとって不可欠なものです。大抵は自分の声をサンプリングしていますが。わたしはつねに一つの歌を思い描いたり、思い描くように意識しています。そうするとゆっくりと、インスピレーションのかけらを集めながら一つのものになっていきます。物語とリリックの関係はわたしが納得するように繋がっていなければならない。ですから、グルーヴや編曲を始める前に、曲は大分前から仕上がっていることが多いです。

“It’s Coming”と”All I Could Do”は同じようなネオ・ローマ調のアート性を備えてますね。これは意図的なものですか?

わたしはどちらかというと両ビデオとも「古代・未来的」なアート性を共有していると思います。”All I Could Do”は確かにもう少しローマ調ですね。SF映画やアトランティス文明等の古代神話にあるパラレルな現実性がどことなく有機的なテクノロジーを持っているというアイディアにインスピレーションを得ています。未来的な習慣と古代的な習慣の双方に満たされた世界のことです。わたしとビデオのヴァイブに非常に貢献したディレクター、Tristanでお互いの夢や芸術性について長い時間話し合い、このようなタイプのイメージに対し同様の興味があるということに気がつきました。

“All I Could Do”という曲は、部分的に絶対的な輪廻と、自分が常に同じ輪を回っているのに前へ進もうとする目的の無い行為について歌っています。”AICD”というビデオの制作アイディアを練っているとき、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『Labyrinths (ショートストーリー集)』を読んでいました。”The Immortals”という短編にビデオのインスピレーションを得ています。不死の人々によって建てられた、実際にはあり得ないような建築物の美しいイメージに溢れていて、彼らの時の過ごし方の経験が描き出されています。わたしはそれをTristanに説明し、彼とReuben (3D効果を作った人です)がそれを表現してみせました。

あなたはすでに多くのアーティストにビートを提供していますね。自身はプロデューサーかシンガーかどちらだと思いますか?

面白く聞こえるかもしれませんが、わたしは自分のことをただのクリエイティブな人間と思っています。音楽に対しては、洗練されたアーティストのように色んなメディアを用いて接近したいと思ってます。ただ一つのことに打ち込んではいられません。それはきっと嫌になります。

あなたのライブからは何を期待出来ますか?

たくさんのベース音、そしてそこに潜んだエロティシズム。いまはライブセットにMidiのギターを組み入れようと作業中です。

あなたは自身のBandcamp上で自分の素材を多く「Name Your Price (投げ銭式)」で提供していますね。インディー畑で活動するアーティストにとって、現在の音楽業界についてどうお考えですか?

わたしがフリーで提供しているのは大抵はすべて自分で手をかけたものです(アート・作曲・録音・ミックス・マスタリング含め)。もしレコーディング・スタジオなどに大量のお金を費やしているなら、お金を求めてもフェアだと思いますけどね。でも時間以外にオーバーヘッドするものが無ければ、無料で提供するのも気楽ですし、ナイスだと思います。プレッシャーがかかるようなものでもないですし。時には音楽はアイディアのように無料で入手可能なものであるべきと考えることもあります。でも音楽がインフラストラクチャーの一つで、それで稼がなければならない人がいるという良さも分かります。すごい難問ですよね。この先十年どう業界が変わって行くかとても気になってます。

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