Live Report: Weyes Blood at Kantine am Berghain

53046718_2765944250112758_1807996745590767616_n

ベルリンの4月。友達から4月は雨が多く、まだまだ寒い日が続くと聞いていたのですが、20℃を超える初夏日和の日もあったり、非常に過ごしやすいです。ベルリンは冬が長いので、ここに住む人たちは、ほぼ100%が太陽信者になります。公園に行けば上半身裸で踊ったり、日光浴をする人がいるし、カフェやレストランは店の前に席を出し、アイスクリーム屋には行列が。ただ夜はまだ寒いので、ジャケットは必須です。

さて、Sharon Van Ettenに続き、今回はWeyes Bloodのライブレポをお届けします。Weyes BloodはAriel PinkやPerfume Geniusのコラボでも、美しい歌声を聞かせるマルチ・インストゥルメンタリスト、ナタリー・メーリングによるソロプロジェクトです。新作「Titanic Rising」では本人が「Bob Seger meets Enya」と形容するように、Beach Boysを彷彿とさせるクラシックなポップと彼女独特の「アンビエンス(揺らぎ)」が同居する、真新しい音世界を展開。Lana Del Reyから絶賛されたプログレアンビエントポップ “Movies”や、B級スプラッター映画にインスパイアされたMVも愉快な”Everyday”、Father John Mistyとの共通性を感じるストーリーテリング”Wild Time”など、2019年を代表するシンガーソングライターアルバムとして今後も評価され続けるであろう傑作です。

今回のライブは世界一のテクノクラブ(そして入りにくさも世界一レベル)「Berghain」の脇に設置されたライブ会場 Kantine am Berghainで行われました。キャパは200人。Berghainのダークなギラギラ感を全く感じさせない、アットホームな雰囲気のところ。開場20:00、オープニングアクトが21:00、本編が22:00開始と、遅めのスタート。外にはたくさんのテーブルやベンチ、ブランコが設置され、ライブが始まるまでみんなのんびりビールを飲んでいましたよ。

オープニングアクトはDiscovery Zoneという、シーパンク + Grimesなソロアクト。下のビデオをみていただければ雰囲気が一発でわかると思います。チープな電子ドラムと、シンセ音と溶け合うシルキーな歌声が気持ちよかったです。初期のNite Jewelっぽい。ライブが終わると「物販では何も売ってないけど、お気に入りの石を集めたから、みんな持って帰ってね」と電波な発言をしておりました。

さてWeyes Bloodです。ギター、ドラム、キーボード、ベーシストを連れた5人のバンド体制。Weyes Bloodは背中に美しい刺繍が入った、真っ白なスーツに身をまとい登場。かっこいい。一曲目は新作「Titanic Rising」のオープニングを飾る、ゴージャスな”A Lot’s Gonna Change”。弾き語りで静かに始まり、ドラム隊が加わり、徐々に熱を帯びていきます。彼女のシネマティックなソングライティングは続く”Something to Believe”にも顕著で、カレン・カーペンターと比較される伸びやかな歌声がとても美しい。簡単な挨拶の後(「クラブの前の休憩で寄ってくれたのね?嬉しい。」)、今回のライブのハイライトのひとつ”Everyday”を披露。楽しく跳ねるリズムとキュートなメロディ、プログレな曲展開にライブならではの肉体性と空気感が加わり、レコーディングとは別次元のカタルシスを生んでいました。

ジョージ・ハリソン meets カーペンターズなナンバー、”Andromeda”、前作から”Seven Words”、アナログシンセ音がリードするドリーミーなバラード”Mirror Forever”、そして”Picture Me Better”をプレイした後、個人的にとても楽しみだった”Movies”のイントロ音が!「この照明、海の中にいるみたいじゃない?じゃあ私も…。」と、イントロと共に巫女のような踊りを披露。最後はジャケットを脱ぎ捨てていました。どこまでも優美なサウンドで、まさしく音に浸かる感覚を覚えました。この一曲だけでも観に行けてよかった。

極上のソングライティングが味わえる”Wild Time”の後はなんとBeach Boysの”God Only Knows”をカバー。「聞きたいことがあるんだけど、この中で神様を信じてる人どれだけいる?手を挙げてみて?あら、全然いないのね。じゃあ”God”を”Good”にしてやろうかな。え?やめたほうがいい?じゃあ”God”のままで。」と、一人ボケツッコミまでこなしてました。かわいい。バンドを紹介し、最後は前作”Front Row Seat to Earth”から”Do You Need My Love”を披露。とびきりキャッチーなコーラスと、サイケデリックなスペースロックがオーバーラップする彼女の代表曲です。

アンコールでは”YOLO, Why?”と流行り言葉を皮肉として使った歌詞で話題を呼んだシングル”Generation Why”と、デビューアルバムから”Bad Magic”を弾き語り、ライブは終了。まるで一つの映画や演劇を観た後のような後味で、とても満足しました。彼女のトークも切れ味がよく、クールで面白く、機会があればもう一回観たいなあ。

次のライブはFKA Twigsです。

セットリスト

  1. A Lot’s Gonna Change
  2. Something to Believe
  3. Everyday
  4. Andromeda
  5. Seven Words
  6. Mirror Forever
  7. Picture Me Better
  8. Movies
  9. Wild Time
  10. God Only Knows (The Beach Boys cover)
  11. Do You Need My Love

    Encore:

  12. Generation Why
  13. Bad Magic

このエントリーをはてなブックマークに追加
Category Features | タグ: , |