「波」と音楽
東京を拠点に活動するライター HEU がテーマを一つ選び、そのテーマにインスパイアされたアルバムを紹介するシリーズの第4弾!今回は「波」の魅力に迫ります。
脈の波、海の波、感情の波。波は私たちの生活の中に多種多様な形で存在しています。波は原動力として海流を引き起こす回転を形成し、周りの環境からも影響されやすい。一方、脳波は私たちの気分や行動によって変化します。ある意味で、それは即興的。その瞬間、何をどういう風に意識しているかということです。では、こちらの三つの渦のようなアルバムと一緒にゆらゆらしましょう。
Suzanne Ciani
Seven Waves (1982)
女性エレクトロニックミュージックの先駆者スザンヌ・チアーニはBuchlaモジュラーシンセのパイオニアでもあります。2年かけて作り上げた『Seven Waves』はチアーニ初のコマーシャルアルバムであり、彼女にとって意義のある作品です。音楽の中で、古典のルーツとともに、彼女はエレクトロニック楽器とサウンドシンセシスへの情熱を表現しました。全ての曲は、即興の形で、波の形のようにクライマックスまで築いていました。ロマンチックでメロディック。センシュアルな本作は、4チャンネルと想像力があるスペースを作り上げました。
Cornelius
Mellow Waves (2017)
Corneliusの11年ぶりのオリジナルのアルバム『Mellow Waves』。90年代の渋谷系を代表する小山田圭吾は、METAFIVEのバンドとしても活躍しています。Corneliusの音楽はコンテンポラリーギターロックからミニマル音楽まで幅広く広がります。彼のアイコニックなレトロで未来的なスタイルそのままに、本アルバムの作詞は坂本慎太郎が担当しました。‘Surfing on Mind Wave pt2’の波の収録、インストゥルメンタルとシンセサイザーの音は、特に本作から際立っています。それは次のアルバム“Electronic Mind Waves”に繋がっています。
Elektriktus
Electronic Mind Waves (1976)
神秘なエレクトロニックユニット、Elektriktus。クラウトロックからインスパイアされた本作はイタリア産のコズミックなの名盤でカルト的人気を誇ります。8台シンセを用いた構成であり、キラキラのような音と紐のような波がひっきりなしに利用されています。主役のミュージシャンアンドレア・チェンタッツォは即興とフリージャズの世界の中で名高く、その影響は‘First Wave’から聞こえられます。レアである本作の中で最も冒険的な波音は‘Implosion’で聞くことができます。剣の音とともにクライマックスを迎えます。その後、アルバムは徐々にアンビエントと豊かなメロディックに移行します。
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