「熱帯雨林」と音楽

今月から東京を拠点に活動するライター、HEUによる新シリーズがスタート。毎月テーマを一つ選択し、そのテーマにインスパイアされたアルバムを紹介していきます。

熱帯雨森。それは、世界で最も多様性があるエコシステムと言っても過言ではありません。多くのミュージシャンにとって、熱帯雨林は音楽のインスピレーションの源になってきました。森から生まれるアンビエント音が引き起こすものなのか、これらの作品は私たちがまるで自然の中にいるような感覚を覚えさせ、心を癒す不思議なパワーがあります。今回は60年代のブラジルのグルーヴィーなボサノヴァから、90年代日本の穏やかな音楽まで、年代順に熱帯雨林にインスパイアされたアルバムを紹介します。それぞれ異なった年に作られた多彩な作品群から、その共通点を見つけてみましょう。

Walter Wanderley
Rain Forest (1966)

ラテンとジャズ音楽で知られるにブラジルオルガン奏者、ワルター・ワンダレイの名盤「Rain Forest」はハッピーなリズムから始まります。60年代半ばにボサノヴァがアメリカで流行を迎えた時、「Summer Samba」は世界中でヒットしました。アルバムは全体的に情熱的で、聴きやすく、スムーズなメロディを持ちながらも、「Rain」のようなゆっくりとしたテンポの曲もあり、悲しみなど、一筋縄ではいかない表情を見せてくれます。

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J.D. Emmanuel 
Rain Forest Music (1981)

鳥の歌声はこのアルバムに活力を与えています。J.D.エマニュエルの初期の作品の一つである「Rain Forest Music」は、柔らかいキーボードの音と、曲間の滑らかなつながり、リスナーを雨林の中に誘い込みます。テキサス州東部にある森から、実際に雨と雷の音を、ヒューストン動物園から、鳥の音を録音。時間と空間を超え、感覚を高める音楽を作り上げました。


 Motohiko Hamase 
#Notes of Forestry (1988) 

「消えたベーシスト」として知られる濱瀬元彦は、70年代にジャズのフロントラインで活躍していました。彼は80年代後半に、アンビエントとエレクトロニックの境界を追求し。「#Notes of Forestry」を完成させました。今作は遊び心に溢れ、曲の微妙なニュアンスから確かにジャズの旋律が聞こえてきます。根深いジャズのバックグラウンドはジャンルを超えて彼の音楽に表れており、自由さを感じとれます。

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Merl Saunders 
Blues From The Rainforest (1990)

マール・サンダースの「Blues From The Rainforest」は私たちをレトロでフューチャリスティックな熱帯雨森に連れて行ってくれます。ミュージックビデオからのトリッピーな映像、雷、雨と鳥のダイナミックな音、スペーシーなキーボードとギターの音を織り成す音模様今作はワールド音楽とニューエイジの名盤として名高い一枚です。彼の多彩な音楽的多様性は、ジャズ、フュージョン、レゲエ、ブルース、R&Bなど、様々なスタイルから生まれています。

Hiroshi Yoshimura 
Quiet Forest (1998) 

日本ならではの「環境音楽」のパイオニアとして知られる吉村弘は、1982年からアンビエント音楽をスタート。バブル時代の始まりにつれ、彼の多くの作品は「都市の音」のテーマし、都市のレンズから、自然を感じさせてくれます。「Quiet Forest」はシアトルのホー・レイン・フォレストを初め、様々な森をからインスパイアされたアルバム。それぞれの曲は、変化しつつある森の様々なフェーズや自然の要素を表しています。

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