First Reaction: 宇多田ヒカル, “BADモード” 初聴感想

宇多田ヒカルの3年ぶりの最新アルバム『BADモード』が1/19にリリースされました。ドイツは8時間日本と時差があるので、Twitterからの初聴コメントに嫉妬しつつ、少し遅れて聴いてみました。以下、第一印象をコメントでまとめました。

  1. BADモード、歌詞に抗不安剤のジアゼパムが出てきた。落ち込む友人、もしくは母親に向けて歌った歌じゃないかな?後半の展開はShort Verから予測できなかった。プロデュースはFloating Pointsとのこと!

  2. その後に既発曲が4連続(君に夢中, One Last Kiss, PINK BLOOD, Time)。未発表が3曲しかなく、残りが既発曲とリミックスで構成されていると聞いて不安だったのだけど、とても流暢な流れで心配無用だった。

  3. One Last Kissの終わり方がシングルeditのぶつ切りじゃなくて、フェードアウトになっていた。

  4. 気分じゃないの(Not In The Mood)のヒップホップな重たいビート好き。宇多田ヒカルの詩世界の最骨頂という感じで、質感のある言葉選びと状況の描写。その日を生きるために詩を売る男に対してルエべの財布で購入するという諸行無常。後半息子さんの声入ってる?誰にも言わないへの流れが最高。

  5. 気分じゃないの、で息子を参加させるというのはケイト・ブッシュの「50 Words for Snow」を彷彿とさせる。ケイト・ブッシュと宇多田ヒカルの接点、前々から感じていたのだけどまさかこんなところでも。

  6. Find LoveもCMのショートバージョンで聞いていたものとはフルで聞くと印象が全く違った。ペットショップボーイズやDepeche Modeを彷彿とさせる80’s風のシンセポップ。歌詞を読むところセラピーに通う話。自分を曝け出すことは容易くない。

  7. Skrillex参加のFace My Fears、嫌いだったんだけど、録り直した?ミックスも耳にやさしくなっていて、アルバムの中でいい感じのアクセントになっていてびっくり。ビョーク “Homojenic”の”Pluto”的な立ち位置なのか、、、。最後の一個前の曲に変化球を置くのは前からやっていたので宇多田ヒカルもお気に入りのアルバムの構成なんだと思う。

  8. Somewhere Near Marseilles - マルセイユ辺り - はまさかの11分超えのアシッドハウス大作。こちらもFloating Points。後半のリヴァーブでギトギトになる宇多田ヒカルの歌声にモジュラーシンセが暴走するところや、チョップアップされたボーカルのパート。最後まで飽きさせなくて、いつの間にか11分終わっていた。Ocean Viewと予約で韻を踏んでる笑 

完走した感想ですが、J-popの限界をどこまでもプッシュした名盤やと思います。行くとこまで行ってしまわれた。何度も聞くことできっと新しい発見があると思います。個人的には宇多田ヒカルのベスト。すごい(ボキャ貧)。Floating Pointsともっと曲作ってほしいなあ。

Previous
Previous

listen: Pleasure Craft, “Dead Weight”

Next
Next

Heavy Rotation: Not Waving, "How To Leave Your Body”