Heavy Rotation: Akira Rabelais, “図書館”
シカゴを拠点に活動する作曲家、Akira Rabelaisが『海辺のカフカ』の23章をベースに作り上げた2021年のアンビエント大作『図書館』の聴き逃しレビューです。
音楽ソフトの開発者でもあるアキラ・ラブレー氏。Bandcampの日本語による説明文によると福岡の九州芸術図書館で録音を行ったそうです。ドリーミーで、緊張感が支配する美しいアンビエント作品で、村上春樹の形而上的な世界観(幽霊など)が完全に音に溶け込んでいます。「幽霊が正しい言葉かどうかはわかりませんが、それは間違いなくこの世界のものではありません」などの、日本語のタイトルもストーリー性があって好き。ブライアン・イーノの『Apollo』を初めて聴いた時のような衝撃を受けました。おすすめです。