語りのないアンビエントPODCAST『THE IDLE HOUR』を始めます
ポッドキャストを始めることにしました。その名も『THE IDLE HOUR』。最初のエピソードは8月1日に放送予定で、とても楽しみにしています。それでは『THE IDLE HOUR』はどんなポッドキャストなのか紹介します。
『THE IDLE HOUR』にはダイアログ(会話)が存在しません。日常生活の音だけが、自由に、静かに、意図せずに流れています。各エピソードは、さまざまなロケーションからの生活音を1時間録音したものを放送します。リスナーは、日常のアンビエントノイズからイメージを膨らますことができます。
どうやってこのコンセプトを思いついたのか。発端はアンビエント・ミュージックがストリーミング・サイトで最も聴かれているジャンルのひとつだと友人から聞いたことです。またその流れで、アンビエント・ミュージックは生産性を向上させる効果があることを学びました。そこで私は、語りのないポッドキャストを作ったらどうだろう?自分の部屋の音だけを1時間流し続けたらどうだろう?ASMRが限りなく近い音(極端に意図された音)で聞き手に快感をももたらすのであれば、誰か他人の環境音は、果たしてどんな感情や価値を聞き手にもたらすのだろう?そこで思いついたのが『THE IDLE HOUR』というアイデアです。
このポッドキャストは、Eliane Radigueのアルバム『Triptich』にもインスパイアされています。このフランスの電子音楽作曲家は、シンセサイザーを使って自然界の音を作り出すことに専念していました。このアルバムはダンスパフォーマンスのサウンドトラック用に依頼されたものですが、まるで冷凍庫に1時間頭を突っ込んでいるような、、単純な音が流れ続けています。それは海の波とも解釈でき、ただ静かに当たり前のように流れている。この体験をポッドキャストに取り入れることで、語り中心のPODCASTフォーマットに挑戦するという意図もあります。
コンセプトの形成に協力してくれたメキシコのデザイン研究家Luis Vegaにこの場を借りて感謝します。誰かの生活を覗き見しているようなビジュアルを作ってくれというリクエストに、華麗に答えてくれたデザイナーのChristina Chuもありがとう!
『THE IDLE HOUR』のファーストエピソードは8/1にApple Podcastから配信します。