Interview: LLLL

写真も、結成の背景も、LPのリリースもなく、東京のLLLLはインターネットの世界で最もブログで取り上げられるグループの一つとなった。My Bloody Valentineのムーディーなドローン、MillionyoungやPurity Ringの歪んだR&Bを、彼ら独特のマジックの中に組み込み、重大な岐路にある「日本」のビジョンをとらえている。その中でもとりわけ群を抜くのはボーカル。LLLLの魅力的で、不可解な中枢部だ。 今回のインタビューでは、新作EP『Mirror』をリリースしたLLLLに、匿名での活動を決めた理由、日本のエレクトロ・ミュージックの今について、東北大地震が彼らの音楽活動をどのようにインスパイアしたかを尋ねてみた。バンドとしても初となるインタビューをお楽しみください。

Interview: LLLL
By Ben Landau, Mar 22, 2013
Translated by Satoru Teshima


まずLLLL結成のきっかけを教えてください。

去年の春くらいに、新しいプロジェクトを始めたいという強い気持ちに駆られました。その多くは私が毎日の生活の中で、日本で発生した東北大地震に対して感じていた「フラストレーション」「怒り」「恐怖」が原因となっていました。しかし、だからといってこれは政治的なステートメントではないということを言わせてください。私たちは地震によって劇的に変わった(日本の)雰囲気や人間の精神を捉えることに、もっと興味があったのです。同時期に私はボーカリストに出会い、一緒に作曲をするようになりました。

名前の由来は?

見た目が面白いバンド名にしたいという気持ちが最初からありました。サウンドよりも、見た目で名前を決めたんです。「フォーエル」とも「エルエルエルエル」とも発音が出来ますし、本当に好きな様に呼んでください。他には、LLLLを反対にすると7777になるという意味もあります。7は「幸運」を意味する番号ですし、それが皮肉に感じました。その時期に日本が直面していたことを考えると、「運」について考えること自体にシニカルになっていたんです。

なぜ歌詞は東北大地震に焦点が置かれているのですか?あなたはどの点において影響されたのですか?

歌詞のフォーカスがそこまで地震自体に置かれているかはわかりません。それより、その時期の(人々の)人生や雰囲気を反映しています。多くの人々は、地震や災害によって引き起こされた出来事で頭が一杯になっていました。もどかしい、という意味で大変シュールでしたし、私も一人のアーティストとしてそれを表現せねばと思いました。でもこれは少しずつ変わりつつあります。二人とも地震以外のことにインスパイアされ始めていますから。

現在のところLLLLは自身のアイデンティティが明らかにならないように慎重になっていますね。匿名性の理由は?

このプロジェクトは音楽が目的であり、音楽に関するものにしたかった。だからといって匿名性をバンドの特徴にするつもりはありません。ダフトパンクみたいに。将来はライブをやりたいと思っていますし、変なマスクを被って登場するつもりはありません。でもバンドにプロモ写真、バイオグラフィー、ライフストーリーが必要な理由がわかりません。私たちは音楽を作っているのであって、それが私たちそのものなのですから。

新作について教えてください。

今作は面白いものになりました。いつもと違ってコンセプトを持って制作をしなかったからです。前の二枚のEPと違ってノーコンセプトで挑んだので、今作のサウンドはもっとバラエティに富んでいると思います。 また前作はチルウェイブ、ウィッチハウス、トリルウェイブなどにとても影響されていましたが、今回は現在のエレクトロニック・ミュージックの流行を強調しすぎないようにしました。ポップの要素も保つように気を使いました。それが私の好きなタイプの音楽ですから。

LLLLの歌詞はとても不可解ですね。故意にそうしているのですか?歌詞は日本語で書きますか?それとも英語で書きますか?

全て英語で書かれています。故意ではありません。何が楽曲のムードに一番フィットするか、私と歌い手が色んなことを試した結果の最終的な形です。

あなたが共感を持つ音楽のスタイルは何ですか?

確かではありません。色んな人が私たちにどんなサウンドに似ているか教えてくれるのですが、とても驚かされますね。なのでLLLLのカテゴライズはリスナーに任せます。

日本の現在のオルタナティブ・ミュージックについてどのように考えていますか?

良くも悪くもあります。今素晴らしいバンドがたくさん日本から登場していますし、それは素晴らしいことだと思います。しかしミュージシャンのコミュニティをサポートするには、市場が小さすぎるのです。 ミュージシャンの多くは欧米の市場を目指して「本当の成功」を夢見ます。しかしこの考えは本当に変わらなくてはならないと思います。将来はアジアのコミュニティが一丸となって新たなオルタナティブなマーケットを形作ればいいなと思います。アメリカ/イングランド/ヨーロッパ”が独自の集結したオルタナティブ・ミュージック・シーンを既に抱えているように。

日本のカルチャーは制作にどのように影響を与えますか?LLLLは「日本のバンド」と考えていますか?

私たちは二人とも日本人ですが、子供の頃欧米の国で育ったこともあって、私の人生はかなりバイカルチャーなものです。おっしゃる通り、私たちは自分たちのことを日本のバンドだと思っています。多くのインスピレーションは日本で住むことから得ています。特に東京での生活から。ただ現在の音楽シーンやインターネットが物を言う今の時代、私の音楽テイストもNY、パリ、ソウルのクリエイターとあまり違いはないと思います。

以前「テクノロジーは音楽制作に過小評価されすぎ」とおっしゃいましたね。これについて詳しく説明して頂けますか?

私はコンピューターをつかって音楽を制作しますし、デジタルの媒体で仕上げています。私の音楽的起源がデジタルかアナログ、どちらの機材から来ているか、いつも自覚しています。私にとって、デジタルが主体のサウンドはどこかあからさま過ぎたり、シンプル過ぎたりするところがあると思います。音の謎の多くは、デジタル機材の1と0の間から生まれるものだと思っています。

ミュージシャンとして生産性を上げるものはなんですか?

ただ生きて、周りの物に対して耳、目、心を開くことです。


私たちが知っておくべき、期待の日本のミュージシャン/ユニットは誰ですか?

たくさんいますが、その中でもJesse Ruins, Taquwami,Seihoはお気に入りのアクトの一つです。

あなたの匿名性を脅かすわけではないですが、音楽を作る以外に何をして楽しみますか?

ヴィジュアルアートが好きですね。アートを鑑賞すること、アートについて、作品に関する哲学やポリティックスを議論することが好きです。どれもとても魅力的です。

ミュージシャンとしてあなたのゴールはなんですか?

良い音楽を作り続けたいです。みんなが気に入ってくれたら最高だと思っています。でももっと重要なのは、自分にとって誠実な音楽を作りたいということです。

LLLLの今後を教えてください。

新しいEPをリリースする予定です。将来はライブも行いたいと思っています。

Stream Mirror EP.

リンク
Bandcamp
Facebook
Twitter

Mirror EP は現在バンドのbandcampから購入可能です。
“Drowned Fish”のPV制作秘話に迫ったインタビューはこちら

このエントリーをはてなブックマークに追加