Focus: The Soft

イギリス、サフォーク州出身のエクスペリメンタル・ポップ・トリオ The Soft が昨年デビューEP 『Uncanny Valley』を、Ceremony Recordingsからリリースしました。

‘Uncanny Valley'(不気味の谷現象)とは、日本の学者、森政弘が提唱した現象で、ロボットの容姿や動きがある程度人間に近づくことで人が感じる嫌悪感のことだそうです。

彼らは一昨年暮れにリリースしたシングル”Mori”から、その概念を軸に、様々な実験的要素を取り入れた音楽、アートワーク、映像に至るまでを制作してきました。

デビューEP収録の’Prana’では、幻想的で不気味なボーカルが呼応し、ミニマルなビートが反復。サウンドの面でも、ソフトから生み出された音だけではなく、ハード(アコースティックのインストゥルメンタル音源など)をいじくり、サンプルとして織り交ぜられています。彼らのアートワークやビデオにも不気味なまでに人工とオーガニックが入り混ざっています。

「作品が人工の技術で完全なる再現が可能になればなるほど、その作品に対し懐疑的な感情を抱いてしまうのでは」と、彼らは皮肉を込めて、作品内でそれを伝えようとしているのでしょうか。

先日『Uncanny Valley Remixes』が公開し、ますます音楽性の振れ幅を見せつけているThe Soft。その覆われたベールを剥がすべく、メールインタビューを行いました。

Focus: The Soft
By Natsuyo Jinno, Jan 7, 2014
Translation by Satoru “Teshi” Teshima

三人が活動を始めるきっかけはなんだったのですか?

三人ともホームタウンBury St. Edmundsの別々に通っていたんだけど、15歳くらいのときに一緒に音楽制作を始めたんだ。大体は僕の家に集まってたね。

“Uncanny Valley EP”がリリースされましたが、今どのような気持ちですか?

リリースに向けていくつかの挫折を経験して、不安になる瞬間もあったから、ついにリリース出来て本当にいい気分だよ。サウンドにもアートワークにも満足してるし、協力してくれたみんなに本当に感謝してる。

Ceremonyというレーベルとはどのようにして出会ったのですか?なぜCeremonyからEPをリリースしようと考えたのでしょう。

とりあえずメールしてみたんだ。とても良いレーベルだし、その一部になれたら嬉しいなって。ごく自然なプロセスだったよ。

去年の始めにリリースした”Mori”というシングルはビートを排除したディープなアンビエントトラックでしたね。新EPはダンサブルなトラックがもっと多く収録されていますが、それは何故ですか?

僕らのサウンドはこの2年間で急速に進化したんだ。自分たちが出来るプロダクションにも、もっと自身が持てたんだと思う。ダンス・ミュージックを作ることには常に興味があった。でも、だからといって他の影響から遠ざかるってことじゃないんだ。

シングル”Painted”について詳しく教えて下さい。ダンス・ビート、反復的なハイトーン・サウンドとボーカルのレイヤーが特徴的です。

ハウスに強く影響されているんだと思う。でもなるべくオーガニックに聞こえるようにトライしたんだ。ギターはちょっとシューゲーズっぽさを付け加えてるね。みんなが気に入る要素があると思うよ。

あなたたちは常に音楽制作に対しエクスペリメンタルであり続けていますね。このEPのエクスペリメンタルな側面はどの部分ですか?

Luke AbbottとDavid PyeがEPに一貫する暖かくて、アナログなサウンド作りに協力してくれた。でも僕らは奇妙で、かなりいじくり回したサンプルをたくさん用いてそこに肉付けしたんだ。ストレンジな雰囲気を全体に与えることになった。エレクトロ・ミュージックにギターを使うのも結構珍しいんじゃないかな。このEPでは様々な音色のギターを組み込むことが出来たよ。

あなた達の音楽にサウンドとヴィジュアルをどのように結びつけますか?

ライブとアートワークに関しては、サウンドとヴィジュアルを密接したものにするために努力してるよ。The Softを完璧な姿として説明する時、アートとミュージックを別々の作品として切り離して考えないこと、これがとても重要なんだ。

The Soft – Prana (Official Video) from Ceremony on Vimeo.

“Uncanny Valley”はとても興味深いタイトルですね。ロボットの容姿や動きがある程度人間に近づくことで人が感じる嫌悪感のことだそうですが、このセオリーがあなたのサウンドにどのように影響を与えていますか?

僕らはシンセとオーガニックの間にあるサウンドを絶え間なく進めることで、このセオリーを音楽の中で表現しようとしているんだ。ボーカルと生音をかなりヘヴィーに操作してるから、ほとんどシンセのように聞こえるんだ。同じようにコンピューターで作った音はなるべく生音に聞こえるようにしてる。

楽曲はどのように生まれるのですか?制作の過程を教えて下さい。

僕とZanderはループを良く使い、出来上がったパターンから曲を作ってる。即興のジャムをレコーディングしたものを、後から加工したものもよく使ってるよ。ライブでも即興で出来るものが多いんだ。

The Softのこれからの予定を教えて下さい。

僕らはいま新たに音をさらに洗練させて、新しいオーディオ/ヴィジュアルコンセプトに取りかかる準備をしてる。ライブにもっと力を入れて、多くの人にThe Softの完全形を見てもらいたい。外に出てEPの曲をプレイしてなるべく多くの人に聴いてもらいたい。ライブでは毎回新しいトラックをテストしてるんだ。何か新しいものが出来上がるのにそんな時間はかからないはずだよ。

Links:
The Soft

Soundcloud
Bandcamp

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