Interview: Cuushe

Mayuko HitotsuyanagiがCuushe名義で送りだす音楽は、その姿をドリームポップとして明白に現している。2013年リリースの最新作『Butterfly Case』では、アンビエント・テクノ、シンセポップ、J-pop、そしてチルウェイブが描き出されている。そのなかで、彼女の風のように流れる囁き声、繊細でかすみがかったギターサウンド、そしてシンセのテキスチャーが、彼女の音楽を初期4AD所属アーティストから始まったドリームポップの伝統に繋げている。文字通り、彼女の音楽は自身が見た複雑な夢を(彼女が半分冗談で言う所の)『エクスペリメンタルJ-POP』というフィルターを通じて表現しているのだ。彼女は今の成功に満足すること無く、自身が所属するflauのメンバー、ジュリア・ホルター、ブルー・ハワイから、ツアーをともにしたGrouperなど、様々なコラボレーションを夢見ている。

われわれはCussheと新作『Butterfly Case』の制作について、彼女がいままでに経験した場所や精神状態、過去、現在そして未来について聞くことができた。

Interview: Cuushe
By Maxwell Weigel, Feb 11, 2014
Translation by Satoru “Teshi” Teshima


flau所属のアーティストは皆サウンドの面で非常にうまく密着しています。あなたもレーベルのアーティストと強い親近感を抱いていますか?

flauはオーナーが自分が本当に良いと思う音楽を出すというのがベースなので、色々なジャンルの音楽が集まっているなあと思います。レーベルメイトなので実際にお会いすることも多く、みんなそれぞれにすごく自分の音楽というものがあって、尊敬するところが大きいです。

ロンドン、京都、東京そしてベルリンでの生活を経験していますが、どの都市に最も繋がりを感じましたか?

どの都市にもたくさん思い出があって大好きです。中でも東京は自分が音楽を始めた場所なので音楽的な繋がりがたくさんあって、仲間と一緒に何かを作ったりだとか夢が膨らみます。これからも場所や国関係なく色んな人と一緒に音楽を作れたらいいなと思います。

Grouperとのツアー経験はどのようなものでしたか?お二人ともかなり別々のアプローチで漠然としたフラジャイルなものを受け入れているように思います。

GrouperのツアーはGrouperと友達のMaxwellが所属しているENのふたりと一緒の4人でのツアーでした。みんなで車で色んな都市に行ってすごく楽しかったです。Grouperことリズは本当にナチュラルなひとで、いつでもすごくありのままで、ライブに向き合う真剣さは本当にすごかった。ツアーラストの東京でのライブでは空調を消して、お客さんの息づかいも聞こえるほどの静けさの中でのライブで、緊張感の中Grouperの音が広がっていって、時空がゆがんだみたいなすごい体験でした。ライブ後、みんな汗だくだったのも良い思い出。

1人で音楽を作っていることを考えたとき、他のミュージシャンとのライブ演奏をどのように適応していますか?

ライブは今は2、3人でやることが多いです。Golfというバンドに所属している安藤くんに手伝ってもらったり、レーベルオーナーの福園くんに手伝ってもらったり。電子音楽なのでどういう風にライブをするかって大事で今も研究中です。今はみんなでライブをやるのが楽しくて。自分だけじゃ出てこないアイデアとかたくさんあります。でも今後海外ツアーのことも考えたら、ひとりでのライブも完成できるようにしたいですね。

伝統的なスタジオでレコーディングをしたいと思ったことはありますか?

ホームスタジオで始めた音楽だから、あんまり考えたことはなかったんですが、最近外のスタジオで歌を録る機会があって、そうすると声も大分違って録音できたり(ご近所のことを考えなくてもいいですから)、幅が広がるなと思って、だからトライしたいなと思ったりします。

あなたの歌詞はとてもミニマリスティックですね。日本語より英語で主に歌おうと思った理由はなんですか?

最初は日本語も英語も両方使って曲を作ってたんですが、英語だとネイティブじゃないからより音として捉えられるなと感じました。でも英語も少し分かるのでメッセージものせれるし、自分にとって丁度良いバランスが英語だったんです。

どれをあけよう?あけないでおく?選択がたくさん。人生みたい。

私にとってCuusheの音楽は冬と春の間のような感覚をよく憶えます。あなたが一番好きな季節はどれですか?

一番好きなのは夏ですね。夏って全てが前を向いてて、なんでもできる気がするんです。夏休みとか。良いイメージばかり。自分の音楽は夜に作ることが多いのでちょっと暗くできあがってしまっているかもしれません。夏みたいなパアッとした曲も作ろうと思うんですが、今のところ失敗してます。。。

あなたは自身の音楽をJ-popとして認識しているようですが、あなたの作品はアメリカのインディーサークルのなかで話題を集めています。自身の音楽をもっとポップなものとして認識していますか?それとももっとインディペンデントでエクスペリメンタルなものとして認識していますか?

カテゴライズをあんまり考えずに作っていて、自分は日本人で、POPなものを作りたいと思っているのでJ-popとも考えられるし、エクスペリメンタルな音楽は大好きなのできっと自分の音楽にもそういう要素があると思います。だからエクスペリメンタルといえばエクスペリメンタル。エクスペリメンタルJ-pop!

『Butterfly Case』の制作について教えて下さい。ここに収録された楽曲はどれだけの期間を経て生まれたものですか?またファーストアルバムの制作とはどういうところが違いましたか?

最後の曲の”Hanabi”以外は全てベルリンにいた1年間で制作しました。ファーストアルバムはロンドンにいた時に作っていて、ミニマルな環境で作っていましたね。今もあんまり変わらないのですが、ギターを持ったことでの音の変化と、ベルリンのクラブへ行ったりの影響でBPM早めになったと思います。

明確なアルバムコンセプトはありますか?

コンセプトは夢の箱。蝶が夢の象徴で、バタフライケースだから、夢をあつめた箱。1曲が1つの夢です。

“Airy Me”と『Butterfly Case』のカバーは具体的なヴィジュアル・アートを共有しています。この(アートの)継続は意図的なものですか?

意図的というより、タイミングとか流れです。新しいアルバムを作ろうとしていた時にAiry Meのアニメが出来上がって、作者の久野さんともお会いしたり。彼女の書くキャラクターや色使いがとても日本ぽくて、それでいてストレンジでいいなあと。最初はクールでシンプルなジャケにしようと思ってたのですが、ギャップがあるほうがおもしろいかな、と久野さんの絵を見たときに思いました。友達には中身と外身が違うって言われたけど、それ正解!というかんじです。

それでは“I Dreamt About Silence”をインスパイアした夢を詳しく教えて下さい。

たくさんの箱があって、その箱をあけたらそれぞれ違う場所や物と繋がっていて、どれをあけよう?あけないでおく?みたいな夢。選択がたくさん。人生みたい。

あなたがもっともコラボレートしたいと思うアーティストは誰ですか?

Blue Hawaii。最近ライブで見てすごいかっこよかった!去年知った”Try to Be”という曲が好きで、でもライブは全然違って激しくてかっこよかった。

最後にCuusheの次の予定を教えて下さい。

アメリカのレーベルからEPを出す予定です。3月までには曲を揃えたいです。

Cuusheの最新作『Butterfly Case』はiTunes、またはflauのBandcampAmazon等でお買い求めいただけます。

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