Year End Interview: flau

Year End インタビューは、Lights + Musicが応援するレーベルの主催者に一年を振り返っていただく企画です。

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国内外問わず、音楽ファンを惹きつけて止まない、東京を拠点に置くレコードレーベル、flau。フォークやポップから実験的なテクノまで幅が広いリリースを展開しつつ、一貫して流れる繊細で上品な感性がflauのオリジナリティを構築している。今年はLights + Musicも彼らとBRRWDと一緒にパーティーを開催させて頂いた。今回はYear End InterviewではflauのオーナーでAusとして音楽活動も行うYasuhiko Fukuzonoに突撃。来年は記念すべき10周年を迎えるというflauに、2016年を振り返ってもらった。

Year End Interview: flau
By Alisa Yamasaki, December 31, 2016

国内・海外問わず、2016年一番印象に残ったリリースは何ですか?

Serpentwithfeetはビジュアルも含めてインパクトがありました。小鳥美術館、Asa-Chang & 巡礼、Theater 1、海外ではイ・ランとBeatrice Dillonをよく聴きました。

Flau内ではどうでしたか?

昨年末から台湾の室内楽アンサンブルCicadaのアルバムを2枚(「Ocean」「Farewell」)をリリース、来日ツアーを開催しました。今年最初のリリースはNYのシンガーソングライターPort St. Willow。ライブはできませんでしたが、日本にも度々来ては近況を話していました。ジェントリフィケーション、トランプ、ブルックリンに住んでいた友人たちと北部の田舎に移住し、新しく作ったスタジオの話など。

flauのアーティスト写真を数多く手がけているRepeat PatternとはTA-KUとの共同プロジェクトBRRWDのコンピレーションやsubmerseとのzineなどを一緒に作りました。それからsubmerseの新作、ブラジルのピアニストFabio CaramuruやスウェーデンのMolnbar av John。両者の来日ツアーも来年実現させたいです。またリイシューとしてraumからRobert Lippok、flauではMOTORO FAAMの作品を発表しました。

今年一年、Flauにとって何がありましたか?一番印象に残った出来事があれば教えてください。またレーベルを運営する上で新たな学びや発見はありましたか?

今年はここ数年で最もリリース、ツアーの数も少なかったのですが、海外フェスティバルでのブッキングやコンピレーションの選曲など、表立っていないところで面白い体験がたくさんありました。海外フェスでのブッキングではここ数年より一層クールジャパン的な音楽の異質性がクローズアップされている印象で、そこにどうレーベルとしてコミットしていくか、考えさせられることがありました。これまでリリースしてきた楽曲やアーティストをどのように育てていくか、というところに最近は興味があります。

今注目しているレーベルは何ですか?

いくつかの音楽サイトやbandcamp、soundcloudなどを通じて新しいレーベルを発見してはわくわくして、その時に作品を購入して、割とすぐに忘れてしまうことが増えました。近しい日本や海外のレーベルはいつもチェックしています。特にSweet Dreams Pressさんの活動にはいつも勇気付けられています。

東京だけでも数え切れないほどのマイクロジャンルがあります。その中でも、日本の音楽シーンで気になっているトレンドなどはありますか?

マイクロジャンルというのかわからないのですが、数え切れないその一つ一つの、まだ分化されていない、そもそもインターネットからは見えないローカルの動きだったりコミュニティだったり、もっと言えば各個人/集団内の変化自体に面白みを感じています。

Flauはレーベルとしてだけではなく、イベントキュレーターとしても日本の音楽シーンに大きな影響を与えていると思います。最近イベントを開催するにあたって、意識している事ってありますか?ライブならではの音楽の魅せ方について思い入れはありますか?

定期的に開催しているFOUNDLANDでいえば、できる限り静かでリラックスした環境で音楽を聴いてもらいたい、というのはあります。ディナーショーやBGMのような形にならず、常に音楽が中心にある形で、それぐらい力のある音楽の存在するイベントを作っていたいですね。

Flauでリリースしたい!と思うアーティストの作品にはどういう特徴がありますか。ここ数年でFlauのレーベルとしてのスタイルに変化はありましたか?

昔は完成された作品から入ることが多かったのですが、最近は未完成でも個性や良い意味での手癖が際立っているものに心が動かされることが多いです。それをどう筋道を立ててパッケージしていくか、社会との接点、入り口の幅をどれくらい作っていくか、というところをアーティストと一緒に考えていくのは楽しい作業です。やはりレーベルを始めた当初と趣向も少しつづ変わっていますが、最近はアジアや日本、ドメスティックなアーティストをできる限り発信したいと考えています。

Flauの個性はサウンドだけではなく、ジャケットなどのアートワークから成り立つ世界観にあると思います。ジャケットなどを手がけるアーティスト・デザイナーの方は福園さん自身が選ばれてますか?アート探しって、音楽探しに似てますか?

自分の方で選んでいますが、アーティストから指定があることも多く、レーベルのカラーに合致するもの、広げてくれそうなものはできるだけ取り入れています。自分には感覚的な判断しかないのですが、flauの猫を描いてくれた三宅瑠人氏のセンスは全面的に信頼していて、かなりの作品のアートワークを手がけてもらっている他、色々と話すことが多いです。音楽もそうですが、変にかっこよすぎたり奇をてらったりするものではなく、確かな上品さ、普遍性を持ちつつ、その上で遊べているものが理想的ですね。

日本のアーティストにとって、2016年は海外でも活躍できた年だと思いますか?

オルタナティブなシーンで海外で活躍されている方々は今も昔もたくさんいらっしゃると思いますが、メジャーな日本の音楽もすごい勢いで浸透しているように感じます。また、インターネットの力で歴史の縦軸よりも現在の文脈が重要になってきている印象があり、そういった意味では日本のアンビエント/ニューエイジの過去作品もこれからどんどん掘り起こされていくのではないでしょうか。

2017年、アーティストとして、そしてレーベルとしての目標はありますか?

来年はイギリスのハープ奏者のEmma Gatrill、Minimal Waveからの再発が話題となったTomo AkikawabayaによるプロジェクトThe Future Eveとロバート・ワイアットのコラボレーション作品、NoahやHenning Schmiedtの新しいプロジェクトなどたくさんのリリースがすでに決まっています。また、先述したようにもっとローカルな、小さなコミュニティに目を向けていきたいと思っています。日本人のアーティストのリリースが増えると思います。

来年は10周年目を迎えるとのことですが、意気込みがあればおしえてください。

次の10年も続けられるように節目の10年を大切に使っていきたいと思います。新しい才能は常に探していますので、ぜひデモを送ってみてください!

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